12:37 ◎首相、日銀総裁はより緊密に意見交換を=JPモルガンの佐々木氏〔電話会談反響〕

 元日銀マンでJPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長は23日、菅直人首相と白川方明総裁が同日の会談を先送りし、代わりに電話協議を行ったことについて、「首相と総裁の会談がイベントとして扱われること自体、市場に思惑を呼びマイナス」と指摘、より緊密に意見交換ができる状況が必要との考えを示した。
 この日の電話会談に対し、ドル円相場の反応は限定的だったが、佐々木氏は「先週から市場は(政府・日銀ともに)会談に消極的と受け止めていた。注目される為替介入は日銀の決定事項ではないため、会談に伴う期待感は高まっていなかった」と解説した。
 また週内にも首相と総裁の会談が行われるとの観測に関し、「金融政策の限界が見えている中で、二人が会談しても市場への大きな影響はない」と語った。(了)
12:37 ◎海外勢の反応に注目=みずほコーポ・唐鎌氏〔電話会談反響〕

 唐鎌大輔・みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト=菅直人首相と白川方明日銀総裁の電話会談では、具体的な円高対策が明らかになることはなく、東京時間の為替相場は材料視しなかった。しかし、夕方以降に参入する海外勢が反応する可能性があり、注目している。先週、日銀による追加緩和の可能性が一部で報じられた際は海外時間に50銭程度、円安方向に反応した。現在は海外勢の方がこのようなニュースに対する感応度が高い。
 日銀には、新型オペの増額や期間延長ぐらいしか切れるカードがない。これらの緩和策についても、今後は国内の経済指標の悪化が予想されることから、9月下旬の短観まで確保しておきたいというのが本音だろう。
 当局の姿勢を眺めながら、1ドル=84円程度までの下落が見込まれる。反発の材料としては、米国経済の改善とそれを受けた米金利の上昇が挙げられる。(了)
11:50 ◎大きな失望とはならず=トヨタアセット・浜崎氏〔電話会談反響〕

 浜崎優・トヨタアセットマネジメントチーフストラテジスト=菅直人首相と白川日銀総裁が電話会談したが、直接会わなかったのは市場から見ればやや失望材料だ。ただ、日銀の追加緩和による円高への効果は市場もそれほど大きく期待しているわけではなく、今回の会談ですべて決まるとは予想していなかったので、大きな失望材料とまではならないだろう。政府・日銀の円高対策が本格化するのは民主党代表選後の可能性もあるとみている。(了)<8301>
11:49 ◎方向感は出にくい=クレディ・アグリコル証・加藤氏〔電話会談反響〕

 加藤進・クレディ・アグリコル証券チーフエコノミスト=政府の景気対策の内容がはっきりせず、日銀もなかなか動けないのだろう。日銀の政策対応は政府と歩調を合わせて行うものだ。市場は引き続き政府の一手と、それに続く日銀の一手を見守ることになる。電話会談には多少期待はずれという見方もあるかもしれないが、今のところ方向感は出にくいだろう。
 ただ、対策を打つのがもう少し先に延びたということで、心配な面はある。景気の減速感が強まる中、市場に与える影響を考えると対応が急がれる。ただ、有効な手立てがなかなかない中で、あまり先走って動くと、その後米国や欧州が金融緩和に動いた場合、政策的な対応は難しくなる。現在は慎重にタイミングを図っているのだろう。(了)<8301>
11:34 ◎期待高い分、失望も=ニッセイ基礎研・矢嶋氏〔電話会談反響〕

 矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所主任研究員=首相と日銀総裁が会談し、政府と日銀が強いメッセージを出すとの期待が市場では高かった分、電話会談に終わったことで失望に変わる可能性がある。ただ、週末にも直接会談を見送るとの情報が流れており、市場はある程度織り込んでいる。反応は限定的なものにとどまると思われる。
 いずれにせよ、実際に対策がとられるまでには時間がかかるが、市場はやや期待しすぎの面もある。政府が経済対策をまとめ、日銀が具体策を詰め、全体像が見えてくるのはまだ先の話だ。当面は米国経済や金融政策の影響の方が大きいだろう。(了)<8301>
12:22 ◎米銀破綻、今年118件=連邦預金保険公社

 【ワシントン時事】米連邦預金保険公社(FDIC)は20日、イリノイ州のショア・バンク(総資産21億6000万ドル)など地銀8行が経営破綻(はたん)したと発表した。今年の米銀破綻はこれで118件となる。破綻銀行の預金はいずれも他の銀行が全額引き継ぐ。
 米国では商業不動産に絡む融資の焦げ付きなどを理由に中小銀行が経営不振に陥っており、今後も破綻が続く見通しだ。(了)
06:45 ◎長期金利、低下〔NY債券〕(23日)

 【ニューヨーク時事】週明け23日のニューヨーク金融・債券市場は、世界景気に対する懸念などから安全資産とされる米国債を買う動きが強まった。価格と逆に変動する金利には低下圧力が掛かり、長期金利の指標である10年物米国債利回りは前週末引け水準比0.01%ポイント低下の2.60%で取引を終えた。
 30年債利回りは同0.01%ポイント低下の3.66%、2年債利回りは同0.02%ポイント低下の0.48%でそれぞれ終了。一方、3カ月物TB(財務省証券)利回りは0.01%ポイント上昇の0.16%だった。
 先週、利益確定の売りから一時金利が上昇した米国債だが、米景気の減速懸念は根強く、「5年債など期間の短いものを中心に買いが入りやすい展開」(日系金融機関)となった。ユーロ安やクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でギリシャ国債の保証料が上昇していることも投資家に「質への逃避」を意識させ、米国債に資金が集まる要因になっている。
 年金資金などの流入により先週1年4カ月ぶりの水準まで金利が急低下した30年債も、「10年債との金利差にまだ縮小余地がある」(同)ことから、当面人気が続きそうな気配だ。(了)
06:34 ◎長期金利、上昇=利食い売り〔NY債券〕(20日)

 【ニューヨーク時事】週末20日のニューヨーク金融・債券市場は、今週の急激な金利低下の反動や、来週の入札を控えた利食い売りを背景に、長期金利は上昇した。長期金利の指標である10年物米国債利回りは前日引け水準比0.03%上昇の2.61%、30年物債利回りは0.01%上昇の3.67%で取引を終えた。
 2年物債利回りは0.01%上昇の0.50%、3カ月物財務省証券(TB)利回りは変わらずの0.15%で引けた。
 朝方は、アジアや米欧の株式相場が軒並み下落したことを受け、リスク回避の買いが入り、長期金利は2.56%まで低下した。だが、2.5%の節目を連日で下回ることができなかったことから、週末を控え、午後は利食い売りが膨らみ、2.6%台まで急上昇した。
 また、来週予定されている総額1090億ドル(約9兆3000億円)の入札が意識されたほか、薄商いの中、モーゲージ債の起債に絡む売りが出たことも相場を圧迫した。
 市場参加者によると、利食い売りは短期筋によるものが中心で、「年金基金などのリアル・マネーがロングを落としているのではない」(大手証券)という。(了)