08:13 ◎原油、在庫統計材料に下落〔NY石油市況・詳報〕(18日)

 【ニューヨーク・ロイターES=時事】18日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は下落した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油・石油製品の在庫が過去最高水準を更新したことが弱材料。
 ただ、ニューヨーク株の上伸を眺め、相場は安値からは戻した。
 EIAによると、原油在庫は前週比で80万バレル減少したが、減少幅は予想より小幅だった。ガソリン在庫も3万9000バレル減と小幅減少。ただ、やはり減少幅は予想より小幅だった。ディスティレート(留出油)は110万バレル増加したが、増加幅は予想より小幅。
 原油と石油製品の合計では11億3000万バレルと、1990年9月に記録した過去最高水準(11億2700万バレル)を更新した。
 NYMEX原油9月きりは0.35ドル(0.46%)安の1バレル=75.42ドルで終了。安値は73.83ドルで、7月7日の安値71.44ドル以来の低水準。高値は75.74ドルだった。
 ヒーティングオイル9月きりは0.0010ドル安の1ガロン=2.0249ドルで終了。RBOB9月きりは0.0080ドル高の1ガロン=1.9612ドルで終了した。
 関係筋によると、ロイヤル・ダッチ・シェルはナイジェリア・ボニー・ライト原油の出荷について不可抗力条項を発動した。妨害行為の活発化で生産が日量10万バレル減少したという。
 ユーロは対ドルで朝方に上伸した後、反落。心理的に重要な節目を維持できなかった。ドルは対円で新たな売り圧力を受けた。(了)
04:50 ◎原油、小反落=一時1カ月半ぶり安値〔NY石油〕(18日)

 【ニューヨーク時事】18日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、引けにかけて下げ幅を圧縮したものの、需給緩和懸念が重しとなり、小反落して終了した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物は前日終値比0.35ドル安の1バレル=75.42ドルで終了。10月物は0.38ドル安の75.78ドルで取引を終えた。
 米石油協会(API)が前日発表した原油在庫は市場予想を大幅に上回る積み増しを記録。これを受けて、エネルギー需要に対する警戒感が高まり、売りが先行した。9月物は午前中に一時73.83ドルと、取引時間中の電子取引としては7月7日(71.44ドル)以来、約1カ月半ぶりの水準まで下落した。
 こうした中、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計では、原油在庫は前週比80万バレル減。減少幅は市場予想の100万バレル減(ロイター通信調べ)をやや下回る内容となったものの、予想範囲内と受けとめられ、買い安心感が広がった。また、午後にかけてプラス圏に浮上した米株価を眺めて買いも入ったが、上値を追う材料に欠け、上げ幅は限定的となった。
▽ガソリン=小幅続伸。中心限月の9月物は0.80セント高の1ガロン=196.12セントで取引を終えた。
▽ヒーティングオイル=小反落。9月物は0.10セント安の1ガロン=202.49セントで引けた。(了)
00:27 ◎原油、下げ幅縮小=EIA在庫統計受け〔NY石油〕(18日午前11時15分)

 【ニューヨーク時事】18日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米エネルギー情報局(EIA)で原油在庫減少が示されたことをきっかけにやや下げ幅を縮めている。米国産標準油種WTIの中心限月9月物は午前11時15分現在、前日終値比1.27ドル安の1バレル=74.50ドル。
 米エネルギー情報局(EIA)によると、13日までの1週間の石油在庫は前週比81万8000バレル減と減少幅は市場予測(ロイター通信調べ)の100万バレルを下回った。ガソリン、ディスティレート(留出油)はそれぞれ同3万9000バレル減、107万バレル増とまちまちの内容。ただ、米石油協会(API)が前日発表した在庫急増を背景に警戒感が強まっていただけに、EIA統計はまずまずの内容と受け止められ、安堵(あんど)感から一定の買い戻しが浮上。売り一巡後は下げ渋る展開となっている。(了)
23:42 ◎米原油在庫、前週比80万バレル減=EIA週報

 【ワシントン・ロイターES=時事】米エネルギー情報局(EIA)が18日発表した8月13日までの1週間の米石油在庫統計の概要は以下の通り。

原油(戦略石油備蓄除く)3億5420万バレル
           (前週比80万バレル減)
ガソリン        2億2330万バレル
             (同10万バレル減)
 うち改質ガソリン(RFG)150万バレル
             (同10万バレル増)
ディスティレート(留出油)
            1億7420万バレル
            (同110万バレル増)
 うちヒーティングオイル(暖房用油)
              5060万バレル
             (同90万バレル減)
(了)
14:27 ◎中国、資源確保で50カ国投資=自給選択肢ならず、輸送路重視―米報告書

 【ワシントン時事】中国が50カ国以上の国で、原油や天然ガスなどの資源確保のプロジェクトに投資やパイプライン建設などを通じてかかわっていることが18日、米国防総省による中国の軍事力と安全保障に関する年次報告書で分かった。輸送路確保のためにシーレーン(海上交通路)での軍事的プレゼンスを高める一方で、リスク分散のために中央アジアなどでパイプライン建設を進めており、中国の世界的なエネルギー安保戦略が浮き彫りになっている。
 報告書は「中国にとってエネルギー自給はもはや選択肢ではなく、需要を満たすために必要な原油をペルシャ湾や中央アジア、アフリカなどに求め続ける」と予測している。
 中国の海外資源開発の目標は「採掘された原油と天然ガスに直接アクセスし、コントロールすることだ」と指摘。さらに「輸送ルートが外部要因により阻害されないよう、シーレーンへの依存を減らし、陸上のパイプライン開発を進めている」と分析した。
 例として、ミャンマーと中国間のパイプライン建設事業を挙げ、中国に輸入される原油の80%以上が経由するマラッカ海峡を迂回(うかい)することができるとしている。
 報告書によると、2008年の中国への原油供給国はトップがサウジアラビアで、次いでアンゴラ、イラン、オマーン、ロシア、スーダン、ベネズエラの順。
 南シナ海の海南島に建設された海軍基地は「中国海軍が死活的に重要なシーレーンに直接アクセスすることを可能にする」としており、中国が領有権や海洋権益とともに、シーレーンを確保するために軍事力をフルに活用していることを指摘した。(了)