06:54 ◎4日続伸=失業保険申請増で安全資産に買い〔NY金市況・詳報〕(19日)

 【ニューヨーク・ロイターES=時事】19日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は4日続伸し、1カ月半ぶりの高値となった。同日発表の米週間失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで、金塊の安全資産としての需要が高まった。
 中心限月12月物は前日終値比4ドル高の1オンス=1235.40ドルで終了。取引レンジは1229.50〜1239.50ドル。
 前週の失業保険申請件数が9カ月ぶりの高水準になったとの統計結果を受け、金塊は上昇した。また、フィラデルフィア連銀がこの日発表した8月の担当区域の製造業景況指数が予想を上回る悪化を示したことも、支援材料となった。
 オーラメット・トレーディングのブルース・ダン氏によると、金塊は序盤ではチャート要因の買いに下支えられたが、商いは薄く、多くの買い手がいたわけではないという。
 現物も上昇し、1924GMT(日本時間20日午前4時24分)時点で1231.30ドルと、6月21日につけた史上最高値の1264.90ドルに、あと30ドルの水準をつけている。前日終盤は1227.55ドル。
 ロンドン市場の午後の値決めは1233.50ドル。(了)
04:55 ◎4日続伸=一時1240ドルに迫る〔NY金〕(19日)

 【ニューヨーク時事】19日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米景気先行き懸念を背景に安全資産としての金買いの流れが強まり、4日続伸した。中心限月12月物は前日終値(1231.40ドル)比4.00ドル高の1オンス=1235.40ドルで取引を終了。中心限月の終値ベースでは前日に続き6月30日(1245.90ドル)以来、約1カ月半ぶりの高値となった。立会取引のレンジは、1230.80〜1235.50ドル。電子取引では一時1239.50ドルまで上伸、1240ドル乗せが目前に迫った。
 朝方は、米経済指標の発表を手掛かりに「質への逃避」の買いが先行した。最新週の米新規失業保険申請件数が約9カ月ぶりの高水準に達した上、フィラデルフィア連銀製造業景況感指数が予想外に悪化。今後の経済動向を占うカギとなる雇用の弱さや、これまで米経済回復をけん引してきた製造業の先行き不安をあおる材料が相次いで示され、投資家のリスク志向は減退。夏季休暇シーズンによる薄商いもあって、投機資金の受け皿となった金塊は上伸基調を強めた。 ただ、取引中盤にはリスク回避の買いは一巡。短期筋が利食い売りを出したことに加え、米株価が前日終値比で200ドル近く下落したため、マージンコール(証拠金請求)絡みの手じまい売りも誘われたもよう。こうした売りに押され、相場は早い段階での上げ幅を幾分縮めたが、高値圏で取引を終えた。
 フューチャー・パス・トレーディングのアナリスト、フランク・レシュ氏は、「相場にはまだ買われ過ぎ状態の兆候は見られず、上昇余地は十分にある」と指摘。目先の上値抵抗線は、1243ドル、次いで史上最高値水準の1260ドル台にあるとみている。下値支持線は1222ドル、次いで1216ドルにある見込みという。
 金塊現物相場は午後1時43分現在、2.275ドル高の1232.625ドル。(了)
00:26 ◎反発〔ロンドン金〕(19日)

 【ロンドン時事】19日のロンドン自由金市場の金塊相場は、米国経済の先行き懸念を背景に買われ急反発、1オンス=1234.40ドルと、前日終値比9.65ドル高で引けた。
 午後に発表された米国の経済指標で、最新週の新規失業保険申請件数が大幅に増加したほか、8月のフィラデルフィア連銀の景況感指数が予想外にマイナスに転落。落ち込んだ。これを受けて投資心が安全資産である金塊市場に流入、上げ幅が拡大した。
 GFMSのニール・ミーダー氏は、投資資金のほか、インドや中東の貴金属需要も相場を下支えしていると指摘。その上で、「年内に1300ドルまで上昇するとの見方にも違和感はない」との見方を示した。
 金塊は、1229.925ドルで寄り付いたあと、午前は1228.00ドルで値決めされた。午後の値決めは1233.50ドル。(了)
11:16 ◎東京金、夏枯れ継続か=前日の出来高は2万枚割れ〔商品先物情報〕(19日)

 東京金はジリ高。日中立ち会いは、ニューヨーク金塊先物相場高を好感した買いに小幅続伸して始まり、その後は円相場の緩みを材料に値位置を切り上げている。中心限月の6月先ぎりは午前10時55分現在、前日比18円高の3394円での出合い。
 NY金が、世界的な景気減速への不安感を背景とした「リスク回避」の買いに強地合いを維持している上、来週の菅直人首相と白川方明日銀総裁の会談を控え、「円売り介入や日銀の追加緩和への警戒感から円高には振れづらい」(市場筋)との思惑も、押し目買いを誘発している。
 しかし、金融アナリストは「輸出倍増計画を掲げるオバマ政権がドル安を容認しており、少なくとも11月の中間選挙まではドル安・円高の流れは変わらない」と指摘するなど、将来的な円高懸念は払しょくされていない。このため、「投資家の基本的な買い手控え姿勢に変化はない」(同)という。
 今週に入り、出来高の減少に拍車が掛かっている。前日までの1日平均は2万2292枚と、7月の4万4531枚に比べ5割以上も少ない水準。18日は前日比1527枚減の1万9713枚と、とうとう2万枚の大台を割り込んだ。2万枚割れは2009年4月10日(1万2650枚)以来、約1年4カ月ぶり。
 NY金の上昇と為替の円高で強弱材料の綱引きとなる中、「大衆が様子見を決め込んでいる」(取引員)とみられる。
 商社機関店は「金買いに前向きな投資家は少なくないが、大半は買いのタイミングを計っている状態」と指摘。その上で「円高が完全に止まるか、ドル建て金が再び史上最高値を更新するような展開にならない限り、積極買いは期待できない」とみている。しばらく東京金の夏枯れは続きそうだ。(了)