05:02 ◎ほぼ変わらず〔NY金〕(23日)

 【ニューヨーク時事】週明け23日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、世界的な景気回復の持続力に対して懐疑的な見方がくすぶる中、方向感に欠ける商いとなり、中心限月12月物は1オンス=1228.50ドルと前週末終値(1228.80ドル)比0.30ドル安で終了した。
 この日は米経済指標の発表など新規材料に乏しく、金融、商品両市場を通じて動意薄の展開。ユーロ圏の8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)が前月に続いて緩慢な伸びにとどまったのをきっかけに、ドルが対ユーロ相場で上伸。このため、ドル建てで取引される金塊に割高感が生じ、取引中盤にいったん売りが優勢となった。しかし、景気先行き不透明感が漂う中で、安全資産としての投機需要はしっかり。終盤にかけて買い戻しが入り、寄り付きの水準近辺で引けた。
 一方、実需面では、世界最大の金需要国であるインドの輸入量が注目されている。同国は秋から冬にかけて婚礼・祭礼シーズンを迎えることから、「数週間以内に(輸入が増え)支援材料となる可能性はあるが、高値圏での推移が続き、地元業者の家計が圧迫されている状況」(キトコ・ドット・コムの上級アナリスト、ジョン・ナドラー氏)と、需給引き締まり期待を背景とした相場の上昇余地は限定的との指摘も聞かれた。
 金塊現物相場は午後1時42分現在、1.375ドル安の1226.025ドル。(了)
00:45 ◎小幅続落〔ロンドン金〕(23日)

 【ロンドン時事】週明け23日のロンドン自由金市場の金塊相場は、ドル相場の上昇をにらみ小幅続落、1オンス=1223.925ドルと、前週末終値比2.775ドル安で引けた。
 序盤は堅調だったものの、ドルが対ユーロで値を上げると、ドル建て価格の割高感から値を消した。もっとも世界経済の先行き不透明感から、安全資産として買われる金塊は底堅い展開。クレディ・アグリコルのアナリスト、ロビン・バー氏は、「金塊はリスク回避の高まりや先行き不透明感に支えられている」と指摘している。
 金塊は、1229.225ドルで寄り付いたあと、午前は1227.00ドルで値決めされた。午後の値決めは1226.00ドル。(了)
10:19 ◎NY金、時間外は堅調=米経済指標と他商品動向が焦点〔商品先物情報〕(23日)

 ニューヨーク金の時間外相場は堅調。中心限月の12月物は日本時間午前10時05分現在、1オンス=1230ドル前後で、20日の日中終値(1228.80ドル)を上回って推移している。
 世界的な景気減速懸念を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まる中、今週は7月の中古住宅販売(24日)、同月の新築住宅販売(25日)、4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値(27日)など、重要な米経済指標が相次いで発表される。商社機関店は「これら経済指標の多くが市場予想を下回れば、『安全資産』である金への資金逃避の動きが加速し、(NY金は)週内にも史上最高値である1266.50ドルにトライする」とみている。
 また、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるドイツ連邦銀行(中央銀行)のウェーバー総裁が金融政策を平時に戻す「出口戦略」の当面の見送りを示唆するなど、米欧の超低金利施策の長期化観測が強まっており、商品アナリストは「今後も過剰流動性が金相場の押し上げに寄与する」と指摘。さらに、根強いドルやユーロなどの主要通貨不安のほか、ここへきての金上場投資信託(ETF)の保有残の増加も強気派を勢いづかせている。
 ただ、世界経済の先行き不透明感を背景に、株や原油などの他商品が大きく崩れれば、「損失穴埋めの換金売りなど、金への悪影響は避けられない」(アナリスト)という。
 フジトミ情報サービス室のチーフアナリスト、齋藤和彦氏は「金の独歩高はあり得ない。目先は米経済指標と、それを受けた他商品の動向を眺めながら、1200ドル台前半で推移する」と予想している。(了)