ビジネスのみならず人間の生活自体が、未来がかかわっている。
先物市場は、1.2.3.4.5.6.〜12ケ月先の商品の価格をいま決める「先物価格の発見機能」「価格リスクのヘッジ機能」「資産運用機能」を形成する場と、そこにもうひとつ加えるならば『知的創造力の場』である。
先物市場には『スペキュレ−タ−』『ヘッジャ−』『ア−ビットラ−ジャ−』の3タイプのプロ集団による市場参加者(プレイヤ−)がいる。
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スペキュレ−タ−(投機家)とは、自分の将来の価格に対する予測と読みに賭けて取引をする者を言う。
かれらがなぜ先物市場を使うかといえば、買い手としては、将来の期日までに、商品の価格は今よりも高くなると思っているからで、逆に売り手は、今よりも安くなると思っているからである。そして、自分の思惑が当たれば利益がでる。
- ヘッジャ−(商社)とは、手元に現物を在庫として有していて、その在庫商品の価格変動リスクに対応するために先物市場に参加している。
ヘッジャ−の思惑は、スペキュレ−タ−の思惑とは異なり、価格が高くなるにしろ、安くなるにしろ、『在庫の価格が先行きあまり変動しては困る』、と考える参加者である。ヘッジは、掛けつなぎ、つなぎ売買、保険つなぎなどと呼ばれている。
- ア−ビットラ−ジャ−とは、複数の商品市場間、上場商品間、異なる月限間で生じる価格差を狙う裁定取引(スプレッド取引)で先物市場に参加している。
このように先物市場では、将来の価格変化のリスクを移転したいというヘッジャ−の思惑と、自分の価格動向についての予測に自信があり、そのリスクを負担することによって利益を得ようとするスペキュレ−タ−の思惑と、さまざまな市場間等の価格差で利益を得ようとするア−ビットラ−ジャ−の思惑が出会うのが先物市場である。
そのように先行きについての思惑が交錯した結果として、取引所で先物価格が決定されている。先物価格は、あくまでも市場参加者(プレイヤ−)の思惑がぶつかり合って、需要と供給する点で約定値段が決定する。
商品先物取引は、高度に発展した取引形態であり、大量の商品の円滑な流通を可能にするとともに、透明かつ公正な価格形成に寄与するなど優れた機能をもって現代の経済社会において重要な役割を果たしている。
そして、今、経済活動のグロ−バル化が進み、日本、および世界各国に市場経済化が促進される中、商品先物取引の持つ機能はますます重要視されている。
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